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「パンチ」人気火付け役 市川市動植物園課長・安永崇さん(52) 【ひと模様】

2026/6/7 5:00 (6/17 17:09更新)
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 オランウータンのぬいぐるみを「母親代わり」にして離さず、抱えて歩く姿で人気爆発した市川市動植物園の子ザル「パンチ」。園の責任者として公式X(旧ツイッター)で2月5日に「#がんばれパンチ」のハッシュタグを付けて発信、ブームに火を付けた。

 市川市生まれ。大学生のころに発生した阪神・淡路大震災のボランティア経験がきっかけとなり「地域を盛り上げる仕事をしたい」と市川市役所に就職。福祉、図書館、商工などを経て昨年4月に着任した。「動物と向き合う飼育員の献身的な仕事ぶりに感嘆しました」。園の魅力を外に発信する役割を買って出た。

 7月26日は暑い日だった。ニホンザルの赤ちゃんが生まれたと飼育員らが報告に来た。「実は、母親が子育てをしていません」。飼育員が付きっきりで見るか、それとも「自然の摂理」に任せるか。現場は「人工哺育をやりたい」。ならばとゴーサインを出した。それがパンチ。その年生まれたのがパンチだけなのも幸運だったかもしれない。

 オランウータンのぬいぐるみも、たまたま“つかみ感”がよくてパンチ自身が気に入ったからだった。「手足が短く目がクリクリ、生まれ持ったアイドル性もある。偶然が重なって誕生した奇跡のような存在」と語る。

 4、5月の来園者数はともに約6・5万人と前年同月の3倍近くに。5月5日には1日の来園者数が記録の残る過去10年で最多の6200人に達した。

 ただ、公共の動物園として収益も重要だがそれ以上に「税金で運営する価値があると多くの市民に思ってもらえる施設にしたい。『動物のことを学ぶ場』『憩いの場』としての魅力を知ってほしい」と意義を強調する。

 パンチがサル山に適応できるかは予断を許さない。「動物たちの健康をまず考えるのが園のスタンス。見守っていただければ」。休む間もない日々が今後も続きそうだ。

(小北清人)