金沢工業大学(石川県野々市市)は、次代を担う若者を育成する教育活動を支援する一般財団法人三菱みらい育成財団(東京都千代田区)の2026年度助成事業において、Beyond SDGs推進センターが高校生を対象に行う「心のエンジンを駆動させるプログラム」(カテゴリー2)と有志教職員 金沢工大ミライバチーム※ が大学1・2年生を対象に行う「21世紀型 教養教育プログラム」(カテゴリー4)がそれぞれ採択されました。2021年に1件採択されて以来、今回が2件目および3件目の採択となります。助成期間は3年間です。金沢工業大学では本採択に機に、これから必要になるであろう教育開発に真剣に取り組み、大学教育のみならず、高校生を対象とした教育にも一層努力してまいります。
【三菱みらい育成財団】について
三菱みらい育成財団は、2019年に設立された一般財団法人です。未来を切り拓く人材の育成を目指し、高校や大学、教育事業者などによる教育プログラムへの助成や、その成果を社会に広げる活動を行っています。2025年度までの助成先は延べ468機関、参加者総数は26万名に及んでいます。2026年度の応募総数は436件で84件が採択されました。
三菱みらい育成財団
https://www.mmfe.or.jp/
【採択された教育プログラムの概要】について
1.(カテゴリー2)高校生対象 応募143件 採択9件
Beyond SDGs推進センター
生成AIを使いこなす「新しい学習文化」の醸成
―生徒自身が主体的に生成AIとの境界線を設定できる力を育むAI Tinkery導入プロジェクト―
※AI Tinkery(エーアイ・ティンカリー)とは、AIを「触って・試して・つくりながら学ぶ」ための学習環境や取り組みのことです。
プログラム概要
本プログラムは、スタンフォード大学のKarin Forssell博士が提唱する「AI Tinkery」の教育メソッドを、日本の高校に導入する探究型プログラムです。
生成AIを単なる便利なツールとして利用するだけでなく、生成AIに依存しすぎることで自ら考える力を手放してしまう「チューリングの罠」を回避し、人間の能力を拡張するための生成AI活用文化の構築を目指します。生徒は、生成AIについて「Understand(理解)」「Evaluate(評価)」「Shape(創造)」のプロセスを通じて学びます。生成AIの利点と課題の両面に向き合いながら、自分にとって適切な生成AIとの関わり方を考え、自らの学習環境を主体的にデザインする力、すなわち「学習者エージェンシー」を育みます。
金沢工業大学がこれまで培ってきた教育実践の知見と高校ネットワークを活用し、各校の実情に応じた「日本版AI Tinkery運営ガイドライン」を開発します。将来的には、全国の高校へ展開可能な実践モデルの確立を目指します。
本プログラムの社会的インパクト・定着・継続性
本プログラムは、すべての高校が直面している「生成AIと教育の共存」という課題に対し、再現可能な実践モデルを社会に提示することを目指しています。
1年目は、パイロット校2校において、メンターが伴走する運営モデルを確立します。2年目には、「日本版AI Tinkery運営ガイドライン(初版)」を公開し、小規模カンファレンスを開催する予定です。3年目には、実践を踏まえて改善したガイドラインを公開し、金沢工業大学が有する全国100校以上の高校ネットワークを通じて、各学校が自律的にAI Tinkeryを導入・実践できるエコシステムの定着を目指します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606181060-O2-1YO3iSdm】
Beyond SDGs推進センターでプロトタイプを作成するプロジェクトメンバー
2.(カテゴリー4)大学1、2年生対象 応募42件 採択9件
有志教職員 金沢工大ミライバチーム (申請 プロジェクト教育センター)
※金沢工大ミライバチーム・・・メディア情報学部、五十嵐威暢アーカイブ(デザインアートラボ)、建築アーカイブス研究所、Learning Design Project、産学連携局、企画広報室、プロジェクト教育センター
キャンパスを拡張する複数博物館の往還とプロジェクト型学習の融合:総合知を共創・実践する次世代型PBL『Project Based Liberal-arts』の開発
プログラム概要
本プログラムは、大学1、2年生が学科混成チームで取り組む、PBL(Project Based Learning)と博物館学習を融合させた共創型教養教育です。学生は、人文・社会・産業・科学技術に関わる石川県下の複数の博物館や五十嵐威暢アーカイブなど大学の文化施設を往還し、対話型鑑賞や建築鑑賞を通じて「気づきの連環」を創出します。分野横断の総合知を地域づくりの公開イベントで共創・実践し、ポストAI時代に必要なハイコンセプト(右脳的・概念的な力)・ハイタッチ(共感的な力)の源泉となる「アート型の問題解決能力」を備えた人材を育成するプログラムです。また、私たちのプログラムが地域に定着することで、地域に点在する多様な博物館が「大学生が主体的探究や概念創造を行う高等教育の学びの場」に再定義されることを期待し、企業博物館も対象とする独自のアプローチにより、産学連携による教育が促進されるだけでなく、企業側にとっても自社の博物館が教育拠点として活用される新たな価値の創出に繋げたいと考えます。VUCA時代※に重要とされる、感性的思考や他者との価値共創を重視し、「地域全体を学びの教室にする」というコンセプトで行われる、金沢工業大学独自の教育プログラムを目指します。 ※VUCA(ブーカ)Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉。現代の予測困難なビジネス・社会環境を指す。
本プログラムの社会的インパクト・定着・継続性
・アート型問題解決人材の輩出
ポストAI時代では、AIと協働する論理的なサイエンス型思考に加え、人間の情動に共鳴する直感的・感性的なアート型思考が不可欠です。金沢工業大学が強みとする「実行力によるクラフト型問題解決」にアートの視点を掛け合わせ、実行力を伴う「アート型の問題解決能力」を備えた人材を育成することは、次世代社会を牽引する革新的なインパクトを持ちます。
・地域の博物館を高等教育の場へと再定義
現状の博物館は小中学生の遠足など初等教育の場に留まりがちであるが、本プログラムが定着することで、地域に点在する多様な博物館が「大学生が主体的探究や概念創造を行う高等教育の学びの場」へと再定義されます。
・企業博物館への展開による産学連携教育の強化
企業博物館も対象とする独自のアプローチにより、産学連携による学生教育が強化されるとともに、企業側にとっても自社の博物館が大学教育の拠点として活用されるという新たな価値の創出に繋がります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606181060-O4-94WaS3kM】 金沢工業大学内五十嵐威暢アーカイブでの授業

